化学の研究室にはそれぞれいろいろな機器、頻用試薬などなどがあります。
一番の頻用試薬といえば溶媒ですし、機器といえばスターラー、エバポなどなど。
例えばこのエバポも正式名称はエバポレーターですが、普段はエバポと呼んでいます。
そういう「略称」「呼称」、研究室それぞれ言い方があると思います。
今回はうちの研究室でのそのような例を紹介します。
1 溶媒編
エーテルが一般的だと思ってましたが、ウチのラボではどこからかジエチ派が発生しており、かなりの勢力を築いていることが判明。ちなみにジエチと呼ぶ人の最年長者は浅子くん。まさか。。。苦笑
一番いろいろな呼び名があることが判明したのがこの子。うちの学生は横の細川研からの流れでジクロロが圧倒的に主流です。笑
僕はB4時代に後ろの実験台にいたポスドク先輩が「塩メチ塩メチ」言っていたので塩メチです。潤さんは学生時代からメチクロです。なんか強そうですね。
そんな僕らからしたら「ジクロロって何なんだ?エタンか!ベンゼンか!」と突っ込みたくなところではあります苦笑
全体的にジクロロメタン、メチレンクロリド、塩化メチレン、などから略されていると考えれば納得はできますが、「そこで略すの?」と思う略称もないわけではないです。
クロホ一択だと思っていただけに少しびっくり。てか、略さないんだ。てかクロホルなんだ。
その他にも、酢酸エチルは酢エチ、メタノールエタノールは略さない、というのがウチでは一般的なようです。
あと、展開溶媒は一般的なhexane/EtOAc系は「ヘキサク」、CHCl3/MeOHは「メタクロ」でした。
2 消耗品&機器編
1位: ラボピタ 2位: シーロン パラフィルム
まさかのシーロン派が多いことに気付いたのは最近でした。知らなかったんですが、富士フイルムの「シーロンフィルム®」が元っぽいです。これも横の細川研からの流れ。
僕は学生時代の癖でパラフィルムって言っちゃいます。パラフィルムと呼ぶ人はみんな30代の人ばかりでした。
でもシーロンフィルム®のほうが販売古いんですけどね (シーロン1975年 vs パラフィルム1980年)。
ちなみにこの商品はこちら参照。個人的にはパラフィルムより試薬耐性がいいからラボピタのほうが好きです。
1位: 乳首 2位:ニップル 番外編: 上のやつ シリコンキャップ
これは恥じらいがつきまといますよね苦笑。乳首かよ。
僕は学生実験で女子学生に説明するとき、聞いたことないけどありそうな名前で「スポイトヘッド」とか言ったりしています。なんじゃそりゃ。
しかし、上のやつって呼んでる人がいるのはなんとも。。。苦笑
1位: アンプルカッター 2位:ハートカッター 番外編: カッター笑
キャピラリー切るときのアレです。ちゃんと正式名称で呼ぶ人多数。形からしてハートカッターと呼ぶ人も多い結果に。
てか、カッターて。。。笑
しかし、これがボロボロに欠けている人が多いのはなんでだろう。笑
恒温乾燥機 → 1位: 乾熱 2位: 乾燥機
いやいや、乾燥機だろって声が聞こえそうです笑。僕はそう思ってました。
乾熱勢は圧倒的でした。乾熱はおそらく「乾熱滅菌器」から来ているのだろうと最近判明。これも細川研からの流れ笑
ちなみにうちの機器は東京理化の「定温恒温乾燥器」。前ラボではオーブンって呼んでる人も多数でした。
実験項でもTo a oven dried flask,,, とかありますしね。納得。
というわけで、ちょっと呼称という点でうちの文化を紹介しました。
各ラボでいろいろあると思いますが、学会等で会いましたらうちの学生さんに教えてあげてみてもいいかもしれません。
武藤慶
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