Blog

OMCOS21に参加しました

2023年7/24から28に渡ってカナダバンクーバーで開催されたOMCOS21に参加しました。うちの研究室からは単独参加でした。
本来2021年に開催予定だったものの、新型コロナ禍にあったこともあり2年越しにようやく開催できた会です。
まず、困難苦難のなか、開催に尽力いただいた関係者の方々に御礼申し上げます。

バンクーバー、というかカナダは初めてでした。緯度が高いため、外が21時まで明るいのは不思議な感覚でした(そのせいかいつもより時差ボケ食らってる気がする)。
ジャケットを着てちょうどいいくらい、快適な気候でした。
場所はバンクーバーセンター街のど真ん中にあるSheraton Vancouver Wall Centreで開催でした。写真の通りとてもきれいな建物です。
当日の9:40にバンクーバー空港につき、ホテルに荷物を預け、と思いきや11時前なのに運良くチェックインでき、身軽になりました。
近くで軽くお昼ごはんを食べ、部屋で少し仮眠して会場に行きました。
一日目の講演で印象的だったのがVy Dong教授の講演。聞きたいトピックを三択で聴衆に選んでいただく予想外のスタイル。それだけ成果があるということの現れでもあり、おもしろかったです。
その日はWelcome receptionでPepと話したり僕の留学時のラボメートChuan Heと11年ぶりに再開したり有意義な交流ができました (Chuanと写真取るの忘れた。。。)

一日ごとに書いていると長文駄文になりそうなので、備忘録のためにも印象的だった講演等をいくつか(初めに写真やムービーは一切禁止と念押しされたので講演中の写真はありません)。殴り書きで失礼します。
・Chirik教授の有機合成的に重要な水素化、アルキルカップリング反応を安い卑金属触媒に塗り替えていく研究は圧巻。一体どれだけの配位子、錯体を作って最終形に行き着いているんだろうと思うと感嘆。
・若手のErli Lu先生(英国Newcastle Univ)のメカノ合成で得られるK+(LiHMDS)という安定なelectrideの開発と有機合成の展開は興味深かった。バンケット後の二次会で10分ほどの間にウォッカショットを5杯飲み明かしてしまう彼の(ぶっ飛んだ)キャラも面白かった笑
・Morandiとはお話してみたかったが、発表の日にしかおらず、交流できず残念。新規コンセプトの立ち上げと体現に重きをおいて展開していく姿勢がクール
・Pepのビスマスケミストリー、次々と明らかになっていくビスマスの性質が面白いのと、研究のスピード感がすごい。講演の最後に出てきたビスマスのナイトレンVer., Bismuthinideneが特に興味深かった。周期表が一つ上のSbでは原子半径が小さいために二量化するなど、単純なfactorに見えるかもしれないものの重い原子ならではの典型元素化学が印象的
・Cathyの講演ってちゃんと聞いたことなかったかも。パワフルさと丁寧さが共存したお手本みたいな発表。AuクラスターNHCおもしろい。名大に留学に来ていたMinaの写真見て懐かしい気持ちに。
・レジェンドPaul Wender。正直ミーハー感な動機で聞いていたが、中身が面白かった。年齢を感じさせないくらいにパワフル。Target oriented、さらにはfunction oriented synthesisで、作りたいものを如何に簡単に作れるか、そのための遷移金属触媒開発という、基本の重要さを再認識。
・自身のポスター発表で、韓国のChulbom Lee先生が、「この関連の天然物、僕らも独自の方法にこだわって挑戦したけど、できなかったんだ。おめでとう、うらやましいよ。」と言ってくださったのは素直にうれしかった。
・ポスター賞のなかに、Bronze award, Silver award, Gold awardの上にRhodium awardがあったのはOMCOSならではのユーモア。例年そうだったかは不明。発表者がRhを使っていた訳ではない笑
・中国人の参加が激少なかった。というのも、ビザが全然降りなかったとのこと。Invited speakerを含め多くの中国人ポスター発表者が参加できない事態。Chuanと至極残念と共有。

国際学会につきもの(?)の観光もしました。OMCOSのハーバークルーズ(三日目の午後)は参加せずに(すみません)、Stanley Parkとその周辺を自転車を借りてサイクリングしてきました。
Stanley parkもよかったですが、ノースバンクーバーをつなぐLion’s Gate Bridgeをサイクリングし、そこから見た景色が最も爽快でした。気持ちよかったー。
その他にも急遽思いつきでGranville Islandに別のレンタサイクル(Mobiというやつ)で行ったり、たくさんビールやら海鮮やらバーガーやら肉やらプーチンやらを食べたり。
最終日にOMCOS閉会後、一通り土産を買い物し、晩ごはんを食べようかと思った19時頃、山口研恒例のお土産リクエストがたくさん来ました。晩ごはん後に程々にリクエストに応え、翌朝7時に一人スーパーに駆け込んで不足分を買いに行きました。朝早起きの買い物はしんどかったですが、これもいい思い出です。
よく食べよく買い(苦笑)、円安と、物価も日本の1.5から2倍くらいだったので財布が軽くなりました。

次回は2年後の2025/09/01–05に京都で開催とのことです。
現地で仲良くしてくれた皆様、大変お世話になりました。今後とも宜しくお願いします。

The following two tabs change content below.
趣味はラーメン、漫画、マラソン、自転車、野球、バレーボール。ものづくりの街、豊田市出身。車ではなく分子レベルでのものづくりを極め、非常識だが理想的な方法論で未踏分子を世に出すことを目指す。60歳になっても子供のように、化学でできるあんな未来こんな未来を語り、学生とともに実現に向けて一歩を踏み出せる研究者でいたいと考えている。

関連記事

コメント

この記事へのコメントはありません。

TOP