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好きな呈色液はなんですか?

突然ですがあなたの好きな呈色液はなんですか?私はアニスアルデヒドが好きです!理由は後述します。

このブログを書くにあたり、当研究室で使用頻度の高い呈色液についてアンケートをとったので、上位5位を発表するとともにそれらの特徴を紹介します。以下が当研究室で扱っている呈色液達です↓

まずは第五位からと思いましたが、同率4位の結果となりました。

第四位: 過マンガン酸カリウムとヨウ素(各3票)

→過マンガン酸カリウムは強力な酸化剤ゆえ不飽和結合やアルコール、アルデヒドなどをもつ化合物の検出に用いられます。背景色は紫で、化合物は黄色く焼けます。少量の化合物でも呈色するので便利ではありますが、汎用性の広さゆえにTLCが大混雑してしまうこともあります。調製法は、過マンガン酸カリウムと炭酸カリウムを蒸留水に溶解させるだけです(水酸化ナトリウムを加えることもあります)。ただ、寿命が短く、作りたては鮮やかな紫色ですが3ヶ月ほど(短い時は1ヶ月)で茶褐色に変色します。

→ヨウ素はその昇華性を利用した物理吸着により化合物を呈色します。不飽和結合を有する化合物だけでなく、アルコールやアミン、アミドなどの極性化学物も検出可能です。背景色は薄い黄色、化合物は濃度にもよりますが褐色から黄色に呈色します。使用法は、ヨウ素粉末(シリカゲルを含む)が入ったバイアルにTLCプレートを入れ蓋を閉めて待つだけです。ヨウ素の良い点は、化合物に対して可逆的に吸着するので、検出後のTLCを置いておき、色が消えたら別の呈色液を試すことができる点です。

第三位: リンモリブデン硫酸(4票)

→似たものにリンモリブデン酸がありますが、愛用する方に話を伺うと、リンモリブデン硫酸の方が検出可能な化合物の汎用性が高いようです。また化合物によっても発色が異なるので、極性が近い化合物を見分けるのに便利です。私は普段利用しないので、今後試してみたいと思います。

第二位…といきたいところですが、次も同率一位となりました。

第一位: アニスアルデヒドとセリウムモリブデン(各11票)

→アニスアルデヒドは私も愛用する呈色試薬です。化合物ごとに青、ピンク、紫色など異なる色に呈色するので大変便利です!杏仁豆腐に似た匂いなので、そこまで不快感はありません。万能試薬で、特に求核性の官能基との相性が良いです。ただ、保存期間が短く、作りたては黄色みがかった透明溶液ですが、次第に赤みがかってきて、その時点でTLCを焼くと全体が赤く色付き化合物は呈色しにくくなります。

→セリウムモリブデンの長所はなんといってもその感度の高さです。他の呈色試薬では検出されない微量化合物も観察可能です。また、保存期間が長いことも長所の一つです。ただ焼きすぎると全体が真っ青になるので注意が必要です。

 

以上、当研究室での人気者たちを紹介しました。今回取り上げなかった中にも、汎用性の低さゆえ特定の化合物を検出できることから便利な呈色液があります。例えば、DNPはアルデヒド、ケトンの検出に、ニンヒドリン(臭いっ!)はアミンの検出に、BCGはカルボン酸やスルホン酸の検出に効果を発揮します。

あなたはどの呈色液がお好みですか?是非色んな呈色液を用いて、色の変化を楽しんでみてください!

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