スマートフォンが普及し、もはや持っていない人を探すほうが難しいくらいです。
それとともに多くの頭いい人がよいアプリを開発し、我々の生活はよくも悪くも豊かになっているように思います。
有機化学、有機合成に使えるアプリも例外ではなく、いくつか良いものがあるので紹介します。
ChemByDesigh
出典: https://chemistrybydesign.oia.arizona.edu
僕が初めてスマホで使える有機合成のアプリと認識したのがこれ。無料です。
用途としては完全にお勉強用。例えばDragmacidin Dの合成。
ご覧の通り、どんな反応条件か、とか、何ができるか、などのクイズ形式でお勉強できます。
電車の中、寝る前の睡眠導入剤お勉強としても、またゼミの材料として使ってもいいかもしれませんね。
ReactionFlash
出典: https://reaxyschem.elsevier.com/reactionflash-app-23F7-2003YV.html
Reaxysが提供しているのがこのアプリ。Elsevierなのになんと無料。
人名反応のお勉強、兼、実例を紹介してくれるという優れもの。文献もかんたんに見つかります。
反応機構はたまにおかしいぞ、っというのもありますが。
全体的にReaxysならではのデータベースをうまく使っている良いアプリだと思います。
なにか新しい反応を仕込むとき、具体的なセットアップとかを調べるのがだいぶ簡単になるのではないでしょうか。
The Portable Chemist’s Consultant (Apple Book)
出典:http://www.portablechemistsconsultant.com/#ad-image-0
Scripps Baran先生らが作った電子書籍。$9.99です。
Apple Book専用なので当然App storeでしか取り扱いがありません。スマホに限らずMacでも読めます。iPhone, iPad, or Mac買いましょう。
中身に関してですが、主にヘテロアレーンに関してその合成法やら化学修飾法、またその他のTIPS集までついています。
課金かよ、って思うかもしれませんが、かゆいところに手が届くくらいまじでおそろしく網羅されています。これで1000円は破格。
この先生の全合成見てればわかると思いますが、最新の有機合成法を使うのを厭わない人柄からか、最新の論文の方法も多く紹介されています。
こんな置換基どうやって入れよう、というときの調査、コンサルとして使えます。
もしこの本で紹介されていないような複素環合成法や置換基導入法があれば、研究する余地があるかもしれません。
あと、Baran先生の授業風景の動画付きなので、大注目先生が何を教えるのか、という興味やちょっと英語勉強したーいという人も満足できるものだと思います。
ごく最近アップデートされ、なんと現在ページ数は驚愕の1107ページ。まだまだ更新されていくと思います。
実例はここには画像は上げませんが、上のリンク先にある紹介だけでも十分に良さが伝わるかと思います。
以上、どうだったでしょうか。現代っ子らしくスマートに有機化学できるといいですね。
ただ、研究は手を動かさないといけないので、スマホにどっぷりせずにそこは泥臭く頑張りましょう。
武藤慶
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