みなさんいかがお過ごしでしょうか。D1の田島です。
今回、ベンジルエーテルのC–O結合開裂反応をTetrahedron lettersに投稿したので、そのご報告となります。以下が論文概要となります。
Selective C–O bond cleavage at benzylic positions enabled by Zirconocene and Photoredox catalysis
Kazuhiro Aida, Ryota Tajima, Eisuke Ota*, Junichiro Yamaguchi*
Tetrahedron Letters 2025, 169, 155741
DOI: https://doi.org/10.1016/j.tetlet.2025.155741
昨年卒業された会田さんが第一筆頭著者で、自分は第二筆頭で投稿することができました。
今回の論文では、自然界に幅広く存在するエーテル結合をジルコノセンと可視光レドックス触媒を用いて開裂することに成功しました。以前当研究室では、エポキシドやオキセタンの開裂反応を報告しておりその続報となります。これまで、可視光レドックス触媒を用いたC–O結合開裂反応の大部分は、事前の官能基化が必須でした。しかし、本論文では事前に官能基化することなく、C–O結合を開裂可能なため、有用な反応です。ぜひ、みなさまご一読ください。
データ取りに追われる日々や、思いの外ハードなリバイズなど、いい経験になりました。
個人的には3年間お世話になりました会田さんの山口研での最後の論文に携わることができ、光栄です(まだまだ、恩返しはできていませんが、、、)。
これまで投稿した2報はいずれもベンジル位での変換反応でしたが、今はさらにユニークな変換反応に挑戦しています。こちらもぜひ楽しみにしていてください!
最後になりますが、論文投稿にあたり、日々ご指導いただきました英介さん、潤さんにこの場を借りて感謝申し上げます。
田島遼大
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