実験操作に慣れてくると、不注意でガラス器具を割ってしまったなんて話はよくあると思います
(もちろん頻繁にあってはいけないのですが)。
しかし、装置(設備)の破損は、その修理金額や実験が完全に中断されるということを考えれば、大罪です(金額はchemstationのこちらのサイトを見れば一目瞭然です)。
昨年、えいてぃーは、2つの大罪を犯しました(大大罪ですね)。
1) オートサンプラー付NMRでオートサンプラーが回らなくなり、スピナーが排出されなくなった。
2) グローブボックスのグローブを取ってしまった(ただのボックスですね←)。
キャッチ画像のように逮捕はされていないので安心してください笑
しかし同業者からしたら、こいつトンデモナイことをやったな!というところでしょうか。。
今回、その経緯を説明し、本記事が皆様の教訓となればと思います。
なんで起こった??NMR編
オートサンプラーは拳銃のリボルバーのように回転して、自動でスピナーを投入/排出してくれる便利な装置です(詳しくは会田さんの記事をご覧ください)。
そのサンプラーが何故回らなくなったのかというと、、チューブが指定の長さよりもホルダーから飛び出しており、それがサンプラーに引っかかっていたからでした。
無理矢理取り出しましたが、引っかかった衝撃でサンプルチューブは折れてしまいました。本当に不幸中の幸いで、溶液のすぐ上で折れたので、サンプルは無事でした。また、プローブに直結していないスロットで起きたので、プローブにも影響がありませんでした。もしチューブがプローブに落ちていたら、NMRが使い物にならなくなっていました。
〜教訓〜
スピナータービンのシャフト部分(図の矢印の部分)を完全に引き伸ばしてから測定する。
なんで起こった??グロボ編
グローブボックスで外部から酸素と水を遮断しなければいけないはずが、グローブが外れてどっちにも曝されてしまうとは。
グローブに片方の手を入れた後、思い切りもう片方を突っ込んでしまい、急激にボックス内の圧力が上がって、グローブがボックスの接合部から外れてしまいました(ゴムで挟まれていただけだったので)。ポーンって勢いよく外れてめっちゃびっくりしました。
ヤバい、どうしよう、、と思いましたが、慶さんの迅速な対応で触媒塔に酸素、水が回らないようにした後、窒素を大量に供給して復旧させてくださいました。窒素ボンベを2.5本も消費し、ストックがなかったら、実験ができなくなっていたかもしれない。。また値が張るアルゴンガスだったら、今年度は試薬を購入できてなかったかもしれない。。
どちらも不幸中の幸いが重なって、本当に助かりました、ありがとうございます。二度としません🙇🏻♂️。
〜教訓〜
グロボに手を入れる時はゆっくりと慎重に。
天罰!?
てめぇ調子乗ってんじゃねーぞと、天からお告げが下ったのか、自分のmacを壊してしまいました(買って1年しか経ってないのに〜)。
ディスプレイがつかなくて、ほんとうに焦りました。本当に全データが飛んだのかと焦りました。。
でも、その後潤さんにマウントしていただき、中身の無事を確認できたので、ホッとしました。
その後、画面が映らないのでテレビをモニター代わりにしてバックアップを取り、修理に出してからわずか2日というスピードで戻ってきました。
ということで、昨年は慣れと過信から色々モノを壊し(かけ)た年でした。
今年はより安全な実験操作を心がけ、「破壊神」というレッテルを払拭したいと思います。
守屋瑛人
最新記事 by 守屋瑛人 (全て見る)
- 第53回複素環化学討論会に参加しました - 2024年10月28日
- 伊丹健一郎先生講演会 - 2024年10月1日
- ザイナマイトで頑張らなイト! - 2023年2月21日
コメント