新年度になってからはじめましてですね。D1になった小松田です。
いきなりですが、皆さんは上にも示した「Japan Prize (日本国際賞)」をご存知でしょうか?
「Japan Prize」(日本国際賞)とは、「国際社会への恩返しの意味で日本にノーベル賞並みの世界的な賞を作ってはどうか」との政府の構想に、松下幸之助氏が寄付をもって応え、1985年に実現した国際賞です。
この賞は、全世界の科学技術者を対象とし、独創的で飛躍的な成果を挙げ、科学技術の進歩に大きく寄与し、もって人類の平和と繁栄に著しく貢献したと認められる人に与えられるものです。 (Japan Prize HPより抜粋)
ということで、HPより概要を抜粋させていただきました。僕自身この賞の存在は知っていましたが、歴代受賞者や成り立ちなどは恥ずかしながら今回初めて知りました。特に、松下電器でおなじみの松下幸之助氏の尽力により成り立ったとは・・・。
簡単に言えば、「日本版ノーベル賞」という位置付けですが、もちろん歴代の受賞者の方々の研究はどれも素晴らしく、今の人類はこれらの研究によって生み出された科学技術の恩恵を受けています。(日本版ノーベル賞だからそりゃそうなのですが。)そのため、有機化学を専攻していて他の分野はあまり詳しくない僕でも、歴代受賞者の研究や技術は知っているほどです。
なぜ、こんなにも本賞について熱く語っているかというと、2019年の日本国際賞受賞式・記念講演会が先日行われたからです!4月8日に天皇皇后両陛下の御臨席のもと平成最後の授賞式が行われ、10日には受賞記念講演会が東京大学にて行われました。
今年の受賞者は、名古屋大学特別招へい教授の岡本佳男博士とオハイオ州立大学特別栄誉教授のラタン・ラル博士でした。
両氏とも素晴らしい業績により受賞されましたが、特に岡本先生の受賞業績は“らせん高分子の精密合成と医薬品等の実用的光学分割材料の開発への先駆的貢献”という我々の分野とは切っても切れない関係にあるものなのです!テーマだけといってもピンとこない方、「キラルカラム」と言えば分かるでしょうか。不斉合成や不斉反応を扱っている人(そうでない人も)一度は目にしたり耳にしたりしていると思いますが、岡本先生はこのキラルカラムの原理でもあるらせん高分子による光学分割の技術を開発した方なのです!
岡本先生が、本賞を受賞されるということでとても興奮しました(笑)が、なんと!受賞記念講演に先立って行われる「岡本佳男博士と若手研究者との懇談会」に参加させていただける!ということで浅子と小松田の二人で行ってきました!
懇談会には高分子・全合成・反応開発など様々な分野を専攻している、20名ほどの学生・助教が参加しました。岡本先生からは、らせん高分子の合成や実用化にまつわる裏話をお話いただいた他、若手研究者に向けた激励のお言葉をいただきました。個人的には、ネット等が発達した今の時代だからこそ、それを活かして何が必要とされているのか何が面白いのかを見極める力と判断力を養いなさいという言葉が印象に残りました。他にも時間ギリギリまで多くのディスカッションにお付き合いいただき、たくさんのことを学びました。
懇談会が終わった後は、続けて記念講演会にも参加しました。D1になったタイミングで、とても貴重な経験をさせていただきました。研究者としてはまだまだですが、今だからこそできる失敗や挫折をしながら、さらに色んなことを吸収して成長していきたいと思いました。
そして、皆さんもこれから日本国際賞に注目していきましょう!笑
最後になりますが、この会を企画してくださった国際科学技術財団の方々、モデレーターをしてくださった東大野崎研の楠本助教、金助教に御礼申し上げます。
小松田雅晃
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