フッ素化反応

ピラゾロピリジンのジフルオロ化反応

Ring-opening Difluorination of Pyrazoloazines
Ohki, H.; Komatsuda, M.; Kondo Jr., H.; Yamaguchi. J.
Tetrahedron. 2024, ASAP
DOI 10.1016/j.tet.2024.134020
Highlights In honour of Professor Thomas Maimone, 2024 Tetrahedron Young Investigator Award in Organic Synthesis

私たちは、ピラゾロアジンに対する新しい環開裂ジフルオロ化プロセスを開発しました。2.5当量のセレクトフルオール®を使用することで、この方法は電子求性ジフルオロ化とピラゾロアジンの続く環開裂を可能にし、対応するジフルオロアルキル化アジンを生成します。さらに、C3位にホルミル基を持つピラゾロアジンから始める際には、脱炭酸ジフルオロ化もこのプロトコルによって拡張され、このアプローチの汎用性と広範な適用性を示しています。このジフルオロ化化学の進展は、ジフルオロ化化合物の合成のための新しい経路を提供し、医薬化学および材料科学の実務者のツールキットを豊かにする可能性があります。

コムラードオブチーズ大木の二報目。彼自身初のファーストオーサー論文です。実は反応自体は、以前の芳香環を開いてフッ素をいれる反応で見つけていましたが、1例のみ。というわけでそれに一般性があるのか確認してみた次第。生成物のシアノ基が加水分解しやすく(それはそれで反応性が高くてよいのですが)NMR収率と単離収率があまりにも異なり、精製に苦労しました。結局、シアノ基を定量的に変換できる手法がいくつかあり、それに誘導してテーブルをつくりました。できた化合物は結構創薬関係では結構面白い化合物になったんじゃないかと思います。ちょうど、TomくんのTetrahedron young investigator award 2024のお祝い論文を依頼されていたので、そこに投稿。ちょっとだけメカニズムをつっこまれましたが、基本的にはほぼ素通りでアクセプト。issueの公開が迫っているのか、かなり早い段階でオンラインにのりました。この化学単純ですが奥深く、もう少しだけ続けます。おめでとう!

山口潤一郎

追記:近藤くんが遊びに来てくれたので、別途撮影し合成しました笑(2024年8月)

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