みなさん、こんにちは。D1の会田です。
今回はタイトルの通り、ようやく会田の論文一報目が出版されたので、それについて報告します。
今回私が報告した論文は
Catalytic reductive ring opening of epoxides enabled by zirconocene and photoredox catalysis
です(Chem 2022, 8, 1762–1774)。
軽く内容を説明すると、ジルコノセンと可視光レドックス触媒を用いて、エポキシドを位置選択的に開環するという反応を開発しました!という論文です。
これまでのラジカル反応の常識に囚われない、不安定なラジカルを選択的に出そう!という本反応は魅力いっぱいだと思いますので、ぜひ論文を見ていただけたらと思います!また、プレスリリースやChem-Stationのスポットライトリサーチにも取り上げていただいたので、ぜひご覧ください!!
別のページをご覧ください、ばかりいってこのブログで話す内容あるの?と思う方もいるかもしれませんが、3年間を費やした論文なので、まだまだ書きたい内容は山ほどあります。
まず一番書きたかったことについてです。
この論文を投稿するにあたって、一番大変だったこと、それは
チオウレアの役割の解明
です。
結論から言うと、色々やったのですが、なんの成果も得られませんでした(進撃の巨人風)。。
実際はDOSYが取れているので、0ではありませんが、CVやらUV-visやら計算やら、色々考えてこうすれば結果が得られるんじゃないか、などなど本当に考えうる限りは尽くしましたが、悲しいことに全て水疱に帰しました。。それでも、たくさんの機構解明研究に取り組めたおかげで、有機合成化学以外の分野についてもたくさん学ぶことができ、非常に勉強になる論文でした。これからもチオウレアの役割を解明できると信じて日々研究に邁進していきます!
二つ目の大変だったことは
修士論文と時期が重なったrevise期間
です。
chem誌では、2ヶ月のrevision期間があるのですが、この1ヶ月余りが修士論文の期間と重なり、結構重ためのreviseをおよそ1ヶ月で終わらせないといけないという状況になりました。中には、上で述べたようにチオウレアの役割に関する実験をしなければならなかったり、基質を増やさなければならなかったり、この1ヶ月はほとんど寝る暇もないような期間でした(当然といえば当然ですが、、苦笑)。現在も別の論文の投稿を控えているので、また同じような生活が待っているのか、と気が気ではありません。。次はもう少し軽めが良いなあ。。
最後に、研究室内だけでなく、学会発表やrevision期間にたくさんのご質問やご指摘をいただいたことで、この論文をブラッシュアップでき、今回Chem誌に投稿できました。本当にありがとうございました。今年はまだまだ論文を投稿する予定ですので、みなさん楽しみにしていてください!!
会田和広
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