こんにちは、D2の会田です。
今回も留学について書いていこうと思います(留学中の記憶が薄れていますが、、笑)。
Part1はこちら。今回のトピックは研究についてです。
山口研究室は反応開発を主に行なっている一方で、留学先のSarpong研究室は全合成を中心に研究を展開する研究室です。
反応開発がメインのラボと全合成がメインのラボでどのような違いがあるのか、どうやって全合成であれほどの成果をコンスタントに出すことができるのか等、今回の留学を通して感じたことを書いていこうと思います。
1. 試薬の量
まず第一に、試薬の量には非常に驚かされました。種類はもちろんですが、全合成ラボというだけあって、サイズがやっぱり違います。500 g瓶が大量にあったり、これ誰が使うんだ、という試薬も大量にあったり、、笑。この試薬の量は全合成ラボならではかもしれません。
また、UC Berkeleyの化学科で試薬ページを管理しているので、足りない試薬や持っていない試薬は近くのラボから借りる、ということもよく行われていました。
2. NMR
UC Berkeleyの化学科には、計7台のNMR装置がありました。2台の400 MHz, 3台の500 MHz、 600 MHzと700 MHzが一台ずつ(くらいだった気がする笑)。初めてNMR室に入ったときはその広さと700 MHzのNMRのデカさに興奮しました笑。NMR関連でアメリカを感じたのは、早朝のNMR稼働率が高いこと。自分は他研究室の方に覚えられるくらいの深夜派だったので、早朝の実情はきちんと知りませんが、履歴だけ見ると6–7時とかからNMRを測定して、17時位から徐々に空き始めるイメージでした。朝方が成果をコンスタントに出す秘訣かな??笑
3. 溶媒精製装置
また、溶媒精製装置で使える溶媒の種類の豊富さには驚きました。山口研ではTHF, DCM, toluene, Et2Oの4種類であるのに対し、Sarpong研は8種類の溶媒がありました。基本的に玉部分に貯めておく方式なので、ちょっと心配にもなりますが、まあきっと大丈夫でしょう笑。ちなみにDCMは蒸留塔でした。
ここでもアメリカを感じたのは、下のキャニスター缶から溶媒が切れたり、溶媒精製装置用のアルゴンガスが切れること。え、反応仕込み始めちゃったのに、溶媒精製装置使えないの?みたいなことがありました苦笑 そういう時は、近くのMaimone研やRittle研に恵んでもらいに行きました笑 英語が苦手だとめっちゃ緊張します笑
4. カラム
これは山口研究室が特殊なのかもしれませんが、山口研では基本的にはオートカラムを使っていて、学生が自身でカラムにシリカを詰めてカラムをかけることは滅多にありません。その一方で、Sarpong研究室にはオートカラムが一つあるのみで、基本的には(当たり前ですが)自分自身でカラムをかけます(Sarpong研の人曰く、別の誰かが使ったものなんて信じられないから、使えたもんじゃない、と)。そのため、学生実験でしか見なかったカラムがたくさんあり、さらにカラムの大きさも山口研にあるものと全然違いました。一番でかいカラムを使った日には、半日以上カラムをかけ続ける日もあり、、、オートカラムが恋しい日々を送りました笑
5. エバポレーターの冷媒
これが一番辛かった。。山口研ではチラーを使って冷媒を流すことで溶媒を留去するのに対し、Sarpong研ではエバポの溶媒を凝縮させるところに冷媒を入れる部分があり、そこにIPAとドライアイスを入れることで、飛ばした溶媒を冷やしていました。すぐにドライアイスが気化して冷媒が常温に戻ってしまうので、実験効率がもう大変です。しかも、研究棟全体でドライアイスが切れた日には、せっかく研究室に来たのに実験ができない!なんて日も。。。そんな日はとりあえず反応を仕込みまくって、明日の自分に期待して帰るに尽きます笑
6. 一人あたりの実験スペース
最初の試薬の量と同じかもしれませんが、実験スペースに関してもやっぱりアメリカでした。一人一つの実験台と一つのドラフト!もう驚きの広さです。留学生はメンターの人とスペースを共有することになっていたのですが、途中で隣の席のポスドクが帰国するということで、実験台とドラフトを丸々一つずつ使えることに。広すぎて超快適です(ちょっと汚いのはご愛嬌笑)。スターラーも一人二つ、三つとか持っているので、反応も回し放題。TA業務などがない留学生にとって、このスペースの広さはまさに天国と言えるのではないでしょうか。
あまり書きすぎても怒られそうなので、この辺にしておきましょう笑。写真はどこまであげてよいのか微妙すぎるので、ぜひSarpong研究室のラボツアー動画をご視聴ください。
上で話した「論文をコンスタントに出す方法」は正直よくわかりませんでした笑。なんであんなにたくさんの論文が出せるんでしょうね。今度誰かが留学して気づいた際には、教えてください。
今回も駄文にお付き合いいただきありがとうございました。ごきげんよう。
会田和広
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