お久しぶりです、がむしゃらに頑張った結果無事にM1になる事ができました、M1の田中です。
先日、日本の大学で学士、修士を所得された後に、海外の大学で博士を取得された市川さん、奥村さんがVISAの関係で一時帰国されていたのでお招きし、講演会と懇親会が開催されました。市川さんはMITのBuchwald研、奥村さんはイリノイ大学アーバナシャンペーン校のSarlah研にて博士を取得されています。日本有機化学の若手の方で、最前線で研究をされているお二人の貴重なお話を聞く事ができたので、少しご紹介したいと思います。
まずは奥村さんに講演していただきました。奥村さんのSarlah研でのお仕事は、主に脱芳香族化を伴う官能基化及びそれを応用した天然物合成です。これはSarlah研の軸となる大きなテーマで、このテーマの最前線で研究をされていた奥村さんはいわばSarlah研のエース的存在です。昨年の夏、潤さんのポスドク時代の友人であったこともあり、Sarlah先生に早稲田大学で講演をしていただいた際にも、奥村さんのことを褒められていたのが印象的で、ぜひお会いしたいなと思っておりました。その時は僕自身の知識の乏しさ、また英語での講演だった事もあり、全くと言っていいほど理解できていませんでしたが、私たちにも理解できるよう噛み砕いて説明していただいたので、昨年の分もしっかりと理解する事ができました。また、驚いたことに、多い時は1日に30実験もされるそうで、最前線で活躍される方のアグレッシブさを痛感しました。(1週間あっても30実験なんて、、、頑張ります!笑) あと研究内容のお話では、ターゲットの見方というのが印象的でした。時折、「Sarlah研の人なら、、」というお話をされており、脱芳香族化という柱があるからこそ、他の研究チームでは想像もできないような視点からターゲットを合成されてあり、大変興味深かったです。研究内容の後には、海外での研究生活についてお話いただきました。大学周辺はコーン畑だらけで、研究に集中できる環境にあるらしいです。我々の周辺には誘惑ばかりですが、その誘惑に負けずに頑張ります!
次に市川さんに講演をしていただきました。市川さんは、潤さんがゴードン会議に行かれた際に一緒にお食事をされており、そのブログを拝見した時からお会いしたいなという願望がありました(断じて不純な動機ではございません)。市川さんのBuchwald研でのお仕事は、銅ヒドリド種を用いた不斉ヒドロアミノ化及びジアミノ化です。研究内容は英語でとのことで、英語で公演していただきましたが、とにかく迫力がすごかったです。内容も素晴らしく、Buchwald研ということで、複雑な配位子を巧みに操り、チャレンジングな課題を解決されていました。次の進路では、ガラッと変わった分野の研究をされるらしく、そういった向上心も見習っていきたいです。研究内容の後は、奥村さん同様に研究生活などについてお話いただきました。Buchwald先生はかなりフランクな方らしく、懇親会でお聞きしたのですが、カラオケが大好きらしいです。もし機会があれば、デュエットしてみたいです。恥ずかしながら、休日は何をされていますかという質問をさせていただきました。時々友人とチャールズ川でヨットやカヤックをするという何とも優雅な休日を過ごされているということで、僕も見習ってカヤックをしようと思います。チュールズ川は僕らでいう神田川ですかね?ラボのみんなでカヤックしたいです。
講演会の後は部屋を移動して懇親会を行いました。講演会では聞けなかったような少しプライベートな質問にも答えてくださり、大満足な会となりました。ここでの目玉は何と言ってもお寿司です!お二人は日本食を食べたいのではと思い、いつもはピザなどが多いのですが、今回はピザに加えてお寿司も用意させていただきました。喜んでくださっていたみたいでよかったです。また、浅原さんのお土産と、一色さんからの差し入れの牛タンもあり、懇親会は大盛況でした。
お部屋の時間がきてしまったのでさらに部屋を移動し、もう少しだけお酒を飲みました。お二人とも、遅くまでありがとうございました。
お二人のお話は年齢が近いこともあり、とてもいい刺激になりました。海外で博士を取るという想像もできないような決断力、研究に向き合う姿勢、アグレッシブさ、どこを取っても素晴らしかったなと、またその根底には”化学が好き”という、シンプルですが熱い想いがあると感じました。ありがとうございました。また機会があれば、お話ししたいです。僕もお二人に負けじと頑張ります!!
田中脩平
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