新規試薬開発

新奇ヘテロ芳香環試薬の開発

2H-Thiazolo[4,5-d][1,2,3]triazole: Synthesis, Functionalization, and Application in Scaffold-Hopping
Miyazaki, R.;  Takada, F.;  Kikuchi, T.; Oguro, Y.; Kamata, M.; Yukawa, T.; Kato, K.; Muto, K.; Yamaguchi, J.
Chem. Sci. 2024. Advanced Article.
DOI: 10.1039/D4SC03874F

本研究では、未踏の新奇ヘテロ芳香環である、2H-Thiazolo[4,5-d][1,2,3]triazole (ThTz)の合成に成功しました。ただヘテロ芳香環を合成したのみでなく、本研究の特色の一つがチアゾール環上にスルホニル基をもたせたことです。スルホニル基が多用な反応性を示すことを活かし、チアゾール環上での分子連結、その後トリアゾール環上の分子連結を逐次的に行うことができるようになりました。このように、我々の開発したスルホニル化ThTzは、新奇ヘテロ芳香環ビルディングブロックとして活用できます。創薬研究で頻繁に検討される、(ヘテロ)芳香環置換、スキャホールドホッピングに即実装可能であることも本論文で示しています。また、本試薬は近日中にTCIから販売されます。なお、本研究は武田薬品工業との共同研究です。

忍者宮崎2報目!いつもながらとっても影の薄い宮崎くんですが、研究はできます。武田薬品工業との共同研究で始めた研究ですが、そのような特性から日目を見るのはいつなんだろう?と思っていましたが、意外とはやく訪れました。そういった意味では、今回は現状公開できない二環性化合物には及ばなかった、本ThTzですが、とても魅力的な構造をしています。創薬化学者でしたたら、ぜひともコレを自分の化合物の母骨格にいれてみてください。

え?こんなのつくるの面倒ですって? 結構簡単にできるのですが、鈴木ー宮浦カップリング反応が爆発的に流行った理由の1つに、有機ボロン酸が購入できたからということがあります。そう、購入できたら使ってくれますよね。現在、試薬化を進めていて(論文にはすでに試薬番号も会てあるのですが)、東京化成工業から発売予定です。そのタイミングで、またお知らせできればと思います。

実は宮崎くん、以前のプロジェクトの化合物も試薬化間近。正直こんなに優秀な男はいないですよ。飲み会も必ずいます。行事があったら必ずいます。現在まだ就職決まっていないので、企業の方々はそこを見出すことができてません。大丈夫です。ぼくもわかりませんでした。ぜひとも貴社の研究を陰ながら加速できる宮崎くんを採用お願いします。

おめでとう!

山口潤一郎

TOP