Blog

谷くん訪問

先日、びっくりする訪問者が(特に伊丹研究室関係者はびっくりすることだろう)。

谷くんは、名古屋の伊丹研究室のはじめての4年生で、修士課程を修了した学生だ。よくできる学生であり、彼の主研究は2014年になんと400ページの実験項がある論文となり、出版された。本論文の引用数は既に80件を超えており、僕のなかで2014年では最多引用数の論文だ。実験項の枚数は世界一じゃないかと思っている。

2016-09-19_17-44-25 2016-05-14_11-53-20

Tani, S.; Uehara, T. N.; Yamaguchi, J.; Itami, K. Chem. Sci. 2014, 5, 123–135. DOI: 10.1039/C3SC52199K

さて、とはいえど大変自由奔放な学生で、就職活動も大手化学メーカー1件しかエントリーしなかった。

「駄目だったらどうするの?」ときいたら、「研究面白いんで博士に進学して、その後に漁師になります」と。ただ、なんとその会社に受かってしまったので、とりあえず?いきますということで修士で卒業した。

しかし、3年後半後に思った通り会社をやめ、この近辺でしばらく個人事業で仕事をしていたらしいが(その事業名が彼の大好きな化合物っぽい名前だったから面白い)、ほぼ行方不明状態。久々に連絡が来たと思ったら、地元に帰り、約束通り?漁師になるとのこと。人生一回しかないのでユニークでよろしいが、ちょっとユニークすぎる(苦笑)。と、その地元に帰る前に研究室に訪問してくれたというわけ。お酒と、お菓子のお土産もいただいた。

なにか普通の漁師でなく面白いことやろうとしてるらしいので、応援したい。訪問ありがとう!

The following two tabs change content below.

山口 潤一郎

教授早稲田大学
趣味はラーメン、マラソン、ダイビング、ウェブサイト運営など。化学の「面白さ」と「可能性」を伝えるために、今後の「可能性」のある学生達に,難解な話でも最後には笑って、「化学って面白いよね!」といえる研究者を目指している。.化学ポータルサイトChem-Station代表兼任。

関連記事

コメント

この記事へのコメントはありません。

最近の記事
おすすめ記事
  1. 初めまして、安生颯です!

  2. 有機合成化学奨励賞授賞式に参加してきました

  3. 祝卒業式2025

  4. 言語学の知識:なぜ日本語では「station」を「駅」と呼び、中国語では「站」と呼ぶのか

  5. 気の緩みにご用心

  1. 出張月間2024年3月編〜天然物若手勉強会、上原記念生命科学財団贈呈式、有機金属若手研究者の会、若い世代の特別講演〜

  2. 田舎への旅

  3. 実験を開始しました

  4. 期待の新星?

  5. クラシック音楽のススメ♪:老ベートーヴェンによる心穏やかな名曲たち

X@Yamaguchi Lab

TOP