先日11月28日、29日で徳島県にある大塚製薬で行われた大塚有機合成化学シンポジウムで講演してきました。2日間で僕も含めた講演者は以下の通り。
- 和田 猛 教授 東京理科大学 薬学部
- 浦野 泰照 教授 東京大学大学院薬学系研究科・医学系研究科
- 田中 克典 主任研究員 理化学研究所
- 大栗 博毅 教授 東京農工大学大学院工学研究院
- 山口 潤一郎 准教授 早稲田大学理工学術院
- 布施 新一郎 准教授 東京工業大学 科学技術創成研究院
- Matthew J. Gaunt 教授 University of Cambridge
外部の聴講者はおらず、すべて大塚製薬の研究員が企画した研究員のための講演会です。上記の講演者を招待し、160人超いる研究員が2日間講演を聞くだけという、人件費なども含めたらどれだけかかってるんだと、大塚製薬のパワーを見せつけられました。講演会場もすばらしいところで、普通の講演室でなく完全にホール。いやはや素晴らしいです。旅程の段取りも完璧で、時間通り、羽田空港までいけばすべて手筈は整っていました。
さて、話は代わり徳島といえばいやな思い出が。今から12年前、2005年に天然物討論会が徳島市にあるの「アスティとくしま」で開催された時のことです。故・西沢麦夫教授(徳島文理大)の提案で、この年だけ講演がすべて英語になりました。当時英語は全く駄目だった僕は、日本語だったら覚える必要のない発表原稿を、徳島の城址公園でふらつきながら覚え、そこにいた浮浪者のおじさんに聞いてもらって練習したことを思い出しました。発表は無事に終わったのですが、合成困難な化合物を合成達成したり、面白い天然物を単離した屈強の博士課程の学生のみが発表できるその会で、彼らが英語発表で崩れていくさまはひどいものでした。
ときには、座長に発表者が「なにを質問されているのかわからないのですが!」(日本語)と助けを求め、座長の先生も「僕にもわからないよ!」とボロボロ状態苦笑。それ以来天然物討論会はこれまで日本語で行われています。
と、なぜふと思い出したかというと、なんと、このシンポジウム同時通訳付きで英語に訳してくれたんです。当時そうしてくれたらどれだけうれしかったか。今は英語でも全然かまわないのですが。
閑話休題。
シンポジウムにはいつもご一緒させていただいている研究者に加えて、浦野先生や和田先生などあまり話を聞いたことのない化学者の講演もあり、大変楽しめました。外国からの講演者も仲の良いMattだったので、1日目は懇親会終了後、一緒に飲みにいき、カラオケ、そしてしめのラーメンまで一緒に行きました。夜中過ぎて美味しい徳島ラーメン屋さんはやっていなかったので、「堂の浦」というさっぱりラーメンを食す。実は僕の講演は2日目の最後であり、1日目はほんとうに講演を聞いていただけ。前日遊びすぎたので少し眠くはありましたが、なんとか講演も終了。林研究室の後輩の漆島くん、宇野くん、僕のはじめての学生で博士を取得した山口敦史くん、僕のテーマで受託研究員として研究を行ってくれた宮村さんとも会えて話ができたので、大変満足したシンポジウムでした。
最後に、シンポジウムに招待くださった、大塚製薬の近藤所長をはじめとして、お世話くださった篠原様、その他シンポジウム運営委員の同製薬研究員の方々に厚く御礼申し上げます。
山口 潤一郎
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来徳ありがとうございました。
来年の例のイベントの方も宜しくお願いします。