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いらすとやのススメ

みなさんこんにちは。

B4?の高原知明です。

今回は最近色々な場所で見かけるいらすとやの紹介をしようと思います。

まず「いらすとや」とはなんぞや?ですが、Wikipedia(1)から引用させていただくと

フリーイラストの一般的な需要に合致する、かわいらしくほのぼのした絵柄ながら、時事ネタやブラックなテーマのイラストが多いことや、絵柄とテーマのギャップが魅力とされている。ニュースからイラスト発表までのタイムラグの短さなどから注目され、ツイッターなどで話題を呼び、有名なニュースサイトでも紹介された。マスコットキャラクターは黒ウサギのぴょこ。

たとえ「いらすとや」は知らなくとも、このような雰囲気の絵は様々な場所で見かけたことがあることかと思います。掲示板に貼ってあるポスターや個人ブログ、店の看板や本屋のテロップなど、多くの場面で登場するようになりました。

以上から分かる通り「いらすとや」は最早日本のあらゆる場所で見られる、極めて人口に膾炙したイラストであることがわかります。

なぜ「いらすとや」がここまで世間に広がったのか?

私はその理由について数十分にも及ぶ思考を重ね、以下の二つが理由であると結論に至りました。

 

1.用法の簡便さ

いきなり話は変わりますが、みなさんの中には普段から英語を用いている方も多いかと思います。少なくとも中学生の頃から英語教育を受けている中で誰もが次の疑問を抱いたかと思います。

「なぜ日本語ではなく、英語がここまで世界に広がっているのか?」

何もホモ・サピエンスが誕生した頃からコミュニケーションに英語を使っていたわけではありません。また、世界には英語の他にもドイツ語やロマンシュ語を始めとした他の言語は多数存在します。

歴史的にみれば、この理由としてはの大英帝国の全世界に渡る植民地支配および第二次世界大戦後のアメリカのあらゆる分野における台頭が考えられていますが(2)、その他にも他の言語と比較して習得の容易さが考えられます(3)

・26種類の文字で全てを表現できる

・文法の習得が容易

このような簡便さは他の言語にはない、特に英語を第二言語として習得しようとしている人には大きなメリットとなります。

 

ここで、英語が広く用いられる理由の一つである「用法の簡便さ」は「いらすとや」が広く普及している理由と通じるものがあると考えられます。すなわち

・利用にあたり必要な規則がホームページ上に明記されており、インターネット上で適当に拾ってきた画像と異なり利用後にトラブルが発生する心配がない。

・画像ごとのテーマが細かく区分されており、目的の画像の検索が迅速に行える。

・一つのホームページ上から異なるテーマのイラストを広く集めることができ、イラストごとに一々探す手間が省ける。

というように、「いらすとや」は目的のイラストの発見や実際にイラストを用いるまでの障壁が非常に低いことがわかります。以上より「いらすとや」がここまで普及している理由は英語が世界に広く利用されている理由である「用法の簡便さ」と同一であることがわかります。これはグローバリゼーションならぬ

いらすとやらいぜーしょん

が日本で進行しているともいえるでしょう。

 

2.知的探究心へ与える刺激

まずは下の画像をご覧ください。

これが何かをご存知であった方は相当な博識家と言えます。パンジャンドラムというのですが詳しくはwikipedia(4)をご覧ください。

このイラストを眺めている時皆さんの脳裏には

・これは何という名前なのか
・どういった目的で作られているのか
・なぜ「いらすとや」はこのイラストを載せようとしたのか… etc.

といった疑問が頭の中から次々溢れ出てきたと思います。一度「いらすとや」の中を探検した方ならご存知かと思いますが、「いらすとや」には見た人の好奇心を刺激するようなイラストが多数あります。

19世紀のイギリスの哲学者ジョン・スチュアート・ミルの著作である「大学教育について」には、大学の役割について下記の一文が記されていました(5)

大学は人類が蓄積してきた思想の宝庫を、事情の許す限り次の世代へと最大限に解放するという目的のために存在しているのです。

大学が思想の宝庫を次世代へ解放する場であるならば、「いらすとや」は知識の宝庫を解放する場と言えます。今や「いらすとや」は大学と相補的な関係にあることは自明の理です。そんな「いらすとや」から授けられるイラストが知的好奇心を刺激しないわけがなく、目的のイラストにたどり着くまでに見かける数々のイラストが私たちを楽しませてくれます。従来、画像を探す作業は「ブログの作成のため」等といった手段に過ぎない行為でした。しかし、「いらすとや」の出現によりもはやそれは単なる手段ではなく、それ自身が目的となりうる程実り豊かな行為へ変貌したのです。

 

以上が「いらすとや」がここまで世間に広がった理由であると私は考えます。今や日本の一風景となりつつある「いらすとや」。みなさまもパワーポイントの発表資料(私は実際に使用しました)やブログの作成時などに用いてみてはいかがでしょうか。一度使用すればその汎用性や利便性、さらには愛くるしいイラストの虜になること間違いなしです。

 

また、現在東京駅付近で「いらすとや」とコラボした移動式カフェが出店しています。昼下がりに街ゆく人々を眺めながらゆったりと飲むコーヒーはとても美味しいです。近くには皇居があり、桜の一般公開もなされているのでぜひ足を運んで見てください(コラボは3月中なのでお急ぎを)。

それでは、今回はこの辺で。

参考文献

  1. Wikipedia (https://ja.wikipedia.org/wiki/いらすとや)
  2. かっちゃんのイギリス英語講座 第二回 英語はどうして広まったの? (http://roadtotheuk.com/british-english/katchan-be-lecture-2/)
  3. フィンチトランスレーション株式会社 英語が世界共通語である理由とは (https://www.finch-translation.com/fan_contents_04.html)
  4. Wikipedia (https://ja.wikipedia.org/wiki/パンジャンドラム)
  5. J. S. ミル著, “大学教育について” 岩波書店(2017), 初版, p107.
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高原知明

M2。携帯にある迷惑メールの数ならだれにも負けないです。四十七都道府県制覇を目指してます。

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