Decarbonylative Methylation of Aromatic Esters by a Nickel Catalyst
Okita, T.; Muto, K.; Yamaguchi, J.
Org. Lett. 2018, 20, 3132.
DOI 10.1021/acs.orglett.8b01233
今回、我々はアルキルアルミニウムをアルキル化剤に用いて、ニッケル触媒による芳香族エステルの脱カルボニル型アルキル化反応の開発に成功した。興味深いことにジアルキル塩化アルミが最も効率的なアルキル化剤として働く。本反応は、芳香族フェニルエステルに加えて、芳香族アルキルエステルに対しても適用可能である。
大北の2報目!総説も合わせると3報目。エステルをニッケル触媒でメチル基(アルキル基)に変える反応です。実は、アルキル化反応はかなり前に見つけていましたが、”偉大なるフォロワーたち”の猛追により、やっていた反応が論文にでている!といったこともしばしば。大北くんがジメチルアルミニウムクロリドがアルキル化剤として働くことを発見してくれてようやく日の目をみました。普通はトリメチルアルミニウムぐらいはやると思いますが、僕なら絶対やらない。こういった学生の柔軟な発想が必要です。こういうものは他の追随をかわすことができます。ついでに、ルイス酸として働くからか、いつものフェニルエステルだけでなく、アルキルエステルでも反応が進行すること、dcypt以外でも反応が進行することが今回の反応の特徴です。基質一般性に欠ことや、彼の学振申請が近づいてきたので無理をせず一番早いOrganic Lettersに投稿、最短11日でアプセプトされました。そして記念すべき100報目です。大北くんおめでとう!
山口潤一郎