有機化学に限らず、化学実験では「安全メガネ」「白衣」「手袋」はつけましょう、とどこの大学でも化学実験の初めに言われると思います。
このコロナ禍では、そこに新たに加わりうるものがあります。それが「フェイスシールド」です。
今日はbefore coronaの時代には考えもしなかったフェイスシールドと(有機)化学実験の現場についてリポートしたいと思います。
フェイスシールドって何?
コロナ禍では説明不要かと思いますが、大型百貨店などでは入り口でつけている従業員も多いコレのことです。
高田馬場近辺では上下逆につけて歩くなどファッションにしている(?)人もいるそうです。
https://axel.as-1.co.jp/asone/d/64-1245-19/
うちの研究室でも購入し、政府の緊急事態宣言の解除と同時に200枚納品してもらいました。一枚300円くらいです。
購入した理由は、緊急事態宣言後に事態が悪化した際に「コロナ対策しっかりしてます、だから研究活動をこのままやらせてください」という名目のためでした。
正直、使用感に関してはそんなに期待していませんでした。
化学実験で使えるの?
200枚も買ってしまったので、実際使い物にならなかったらどうしよう、という不安はありました。
しかし、個人的には悪くなかったかな、と思います。以下、使用してみた感想を正直に書きます。
結論から言うと、個人的にはアリです。(ランニングコストは無視 苦笑)
いい点
① 視界が思った以上にクリア
買ってすぐ使おうと思ったら「視界が悪い!200枚やっちまった」って思いました。けどそれは保護シートを剥がしていなかったから。左上に注意書きありますね。読んでいませんでした。
シートを剥がしたらとてもクリアに見えるようになりました。
② メガネの上でも違和感がない
僕は生まれつきの裸眼なので気持ちは全くわかりませんが、眼鏡の人は実験メガネonメガネになるのがなかなか辛いそうです。かわいそうですね。
フェイスシールドであればそんな悩みも解消です。快適そうですね
というか顔ごと保護されているので、実験メガネいらないと思います。
③ 洗える?
ディスポーザブルなので基本洗うことはないでしょうが、うっかり汚してしまった、というときは洗えるのでしょうか。実験室にいっぱい溶媒があるので試してみました。
結論から言うと、素材がPETなのでメタノール○, シクロヘキサン○, アセトンX, 酢酸エチルX でした。水は当然OKです。
使い捨てとは言えども、2,3日は再利用できるのではないでしょうか。
ちなみに、使用してもいなくても開封後は額部分の白いスポンジが黄ばみます。使ってなくても黄ばむので、その個人のせいではないです。いじめたりしないでください。
個人のせいで汚れるのは口元だけです。しゃべると汁が飛ぶ人は使用後の口元の汚れはすごそうです。
悪い点
④ 蒸気がこもる
フェイスシールドの下らへんに溶媒をこぼすとその蒸気が顔とフェイスシールドの間にこもります。つまり通常よりも多く蒸気をくらいます。これは気をつけたほうがいいと思います。
⑤ 大きい声出すと反響して耳が痛い&声が届かない
これも難点です。シールドされているので当然ですが、相手に声が届きにくくなります。
聞こえてないなーと思って大きい声出すと、反響して自分の耳を痛めます笑
うちの○色くんは居室スペースでフェイスシールドつけた状態で他人を驚かせようと大声を出し、その結果自身が悶絶していました苦笑
⑥ 髪型が崩れる
僕は30歳を過ぎたので気にしませんが、大事なことかもしれません。
たしかに百貨店の女性店員さんは結構髪型ぴっしりしているから、実は対策済みなのかもしれませんね。
さいごに
with コロナと呼ばれる世情ですが、実験の現場も今後いろいろ変わるのかもしれません。
いまはメガネを掛けるようにしてつけるフェイスシールドも出ているそうで、これであればシールドのみの交換もできるそうな。
目が悪い人は結局メガネonメガネ問題が発生しそうですが、選択肢はいろいろありそうです。
どんな状況であっても快適な実験生活でありたいですね。というか、早くおさまれ。
武藤慶
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