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欧州旅行記(一):2000年の時を超える羅馬(ローマ)

皆さん、こんにちは。博士課程3年の趙帝です。

今回は、今年の5月末から6月初めにかけて訪れた、12日間のヨーロッパ旅行について紹介したいと思います。ヨーロッパ旅行といっても、実際に訪れたのはイタリア、バチカン市国、スイスの3か国です。

今回の旅行のきっかけは、実はとても偶然なものでした。昨年7月、イタリアに留学している親しい友人が日本に遊びに来た際、私が案内をしていたところ、彼女が何気なく「今度はヨーロッパにも遊びに来てよ」と言いました。何気ない会話の中の一言でしたが、まさか本当に実現するとは思ってもいませんでした。

中国のパスポートではシェンゲン協定加盟国への渡航にビザが必要なため、早めに書類を準備し、今年の2月初めに在日イタリア大使館でビザの面接を受けました。面接はとてもスムーズで、いくつか簡単な質問をされた後、銀行の取引明細を確認した面接官の表情から、ほぼ大丈夫だろうと感じました。実際、2週間も経たないうちにビザを取得できました。

航空券は出発の3か月前に購入しました。往路は東京からローマへ、復路はスイスのチューリッヒから東京へ戻るルートで、合計約10万円でした。異なる都市から出入りする旅程にすれば、同じ場所に戻る必要がなく、時間も節約できます。個人的には、コストパフォーマンスの高いキャセイパシフィック航空がおすすめです。国際線の航空券は、やはり早めに手配するのがよいと思います。

5月27日の夜に東京を出発し、香港経由で、現地時間の28日午前8時にローマに到着しました。

ヨーロッパ旅行で気になるのが治安の問題だと思います。私の経験では、基本的な防犯意識を持っていれば、過度に心配する必要はないと感じました。スーツケースには鍵をかけて荷物棚に固定し、スマートフォンやバッグの管理にも気を配りました。また、街中で長時間スマートフォンを見たり、路上パフォーマンスに夢中になって周囲への注意を怠ったりしないことも大切です。旅行中、私は一度も物をなくすことなく過ごせました。キャッシュレス決済も非常に便利で、現金はほとんど使いませんでした。

ローマは典型的な地中海性気候で、夏は暑く乾燥しています。到着した日は、まさに雲一つない快晴。古い街並みに日差しが降り注ぎ、青く澄んだ空がとても印象的でした。

市内に到着してから、私はすぐにコロッセオやフォロ・ロマーノといった有名な観光地へ向かうのではなく、ローマ郊外のティヴォリ(Tivoli)を訪れ、ハドリアヌス帝の別荘とエステ家別荘を見学することにしました。

ハドリアヌス帝の別荘は、2世紀にローマ皇帝ハドリアヌスの時代に建設された大規模な宮殿群です。現在も残る列柱や中庭、浴場などの遺構からは、当時のローマ帝国の繁栄を想像することができます。一方、エステ家別荘は、美しい庭園と噴水で知られています。水の流れや石像、緑豊かな植栽が調和し、ルネサンス期ならではの芸術的な美しさを感じさせてくれます。

同じ日に、1000年以上の時を隔てた二つの時代の文化に触れられるのは、とても不思議な体験でした。建物の多くはすでに失われていますが、遺跡の中に立っていると、2000年も前の人々が実際にここで生活し、歩き、語り合っていた様子が目に浮かぶようでした。

約3時間見学した後、午後4時ごろにローマ市内へ戻りました。ショッピングモールでポラロイド用フィルムを5箱購入し、いよいよ街歩きと写真撮影の時間です。

サンタンジェロ城を出発し、ウンベルト橋を通り、城の前にあるシエナの聖カタリナ像を見ながら、最後はボルゲーゼ公園を目指して歩きました。観光スポットをできるだけ多く回ることよりも、街並みや建築、人々の様子をゆっくり観察することを大切にしました。

私にとって写真撮影は、単に風景を記録することではありません。光の当たり方や構図、そして偶然生まれる一瞬の表情を探すことでもあります。ポラロイドはデジタル写真のように何度も撮り直すことができないため、シャッターを切るたびに期待と少しの緊張感があります。

ローマで特に心を引かれたのは、歴史と現代の暮らしが自然に共存していることです。例えば、街中のマンホールにも「SPQR」という文字が刻まれています。これはラテン語の Senatus Populusque Romanus の略で、「元老院とローマ市民」を意味し、古代ローマの政治的伝統を象徴する言葉です。約2000年前のシンボルが、今も現代の街の日常風景の中に残っているのです。

さらに、地中海地域特有のイトスギやイタリアカサマツ、明るい色の石造りの建物、そして青く澄んだ空が、ローマならではの異国情緒を生み出しています。

この日、私はローマとギリシャの文明は、実は完全に消滅したわけではないのだと感じました。形を変えながら、今も人々の目の前にあり、心の中に生き続けているのです。古代の建築から現代の街並みまで、歴史の痕跡は至るところに残っています。

私にとって、この旅は単なる観光ではなく、歴史と出会う時間でもありました。

そして、これがヨーロッパ旅行の最初の一日です。

最後まで読んでいただき、ありがとうございました。

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