Palladium-Catalyzed Decarbonylative Alkynylation of Aromatic Esters
Okita, T.; Kumazawa, K.; Takise, R.; Muto, K.;Itami, K. Yamaguchi, J. Chem. Lett. 2017, 46, 218. DOI: 10.1246/cl.161001
我々はPd/Cu触媒による芳香族エステルの脱カルボニルを伴う末端アルキンとのアルキニル化反応を見出した。独自に開発した配位子である3,4-ビス(ジシクロヘキシルホスフィノ)チオフェンを用いることが鍵であり、それ以外の配位子を用いた場合反応は進行しない。この反応を用いることでハロゲン廃棄物を排出せず、広範なアリールアルキン、ヘテロアリールアルキンが得られる。鈴木–宮浦カップリング反応と組み合わせた逐次的なカップリングにも成功した。
早稲田の4年生で初めての論文。そして、大北くん。僕の研究グループの中で最速のFirst Authorです。
バリバリ実験を行った大北くんは、もうすでに次のテーマへ爆進中。今後がとっても期待できます。また、この反応を見出してくれた名古屋山口グループの瀧瀬くん・熊澤くんの協力無くしてはこの最速の論文発表にはならなかったと思います。大北くんおめでとう!
ちなみに、個人的には年間1報以上の日本化学会欧文誌への投稿をなんとか達成できました。あれでも、巻号は2017年になってしまうかも(苦笑)。 by 山口潤一郎