先日、芳香環交換を利用したアリールスルフィド合成の論文がJACSに載りました!
DOI: 10.1021/jacs.1c04215
早稲田大学からもプレスリリースされています。
悪臭問題に解決策 芳香環交換反応を利用したスルフィド合成法の開発 ~独自の金属触媒でスルフィド類の芳香環を付け替える~
反応が進行することはD1の冬頃に見つけていたのですがそこから留学に行ったり、コロナ在宅があったり、迷走したりととても時間がかかってやっとのpublishです。
論文の前半にあるようにピリジルスルフィドを見つけるまでは収率も基質適用範囲も問題だらけでした。
エステル化がキレイに行かないのならばエーテルにしようと思いピリジルスルフィドにしたら面白いくらい反応がキレイにいきました。B4の時に名大の山口グループにいた瀧瀬さんのエーテル化をちょっとやっていて良かったです。
ちょうどお引っ越しに伴いグローブボックスを手に入れてNi(cod)2を使えるようになったのも成功の鍵です。
しかし、初めからNi(cod)2を使っていたらNi(0)にZnを添加しようなんて考えなかったと思うので回り道も無駄ではなかったのかと思います。Znの効果は論文とSIにありますよ
初めは塩基やら酢酸亜鉛やら色んな試薬を使わなくてはいけないめんどくさい反応だったんですけど最終的には基質と触媒、亜鉛だけという簡単に準備できる反応になりました。
反応条件検討以外にも錯体を合成したり機構解明実験を行ったり新しいことにチャレンジできたのも面白かったです。
X線用の単結晶を出すのに3ヶ月かかった時は地味すぎて嫌になってしまいましたが。
在学中にJACSのfirstを出せて満足ですと言いたいところですが今はもっと良い反応を発見してしまいました。
一色が満足できる日は来るのでしょうか。今後の活躍に要注目です
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一色遼大
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