Nature Commun. 2015, 6, 7508. DOI: 10.1038/ncomms8508
ニッケル触媒を用いることで、有機ハロゲン化物に代わり、エステル化合物を用いた“エステル”鈴木宮浦カップリングを開発することに成功した。エステル(カルボン酸誘導体)は市販試薬としても合成中間体としても頻出する官能基である。開発した本手法により、エステルを脱離させ様々な有機ホウ素化合物とカップリングさせることが可能となった。米国エモリー大学Musaev教授と共同で量子化学計算を行い、反応機構も明らかにしている。複雑医薬品の誘導化や、エステル変換を基軸にした様々なオルソゴナルカップリングにも成功した。