お久しぶりです。D1の武です。
先日、2報目の論文をOrganic Letters誌に出すことができました!
僕にとっては初の筆頭著者論文です。
Pd-Catalyzed 1,4-Carboamination of Bicyclic Bromoarenes with Diazo Compounds and Amines
Qikun
Qikun Wu, Kei Muto, and Junichiro Yamaguchi
Org. Lett. 2022, 24, 4129–4134.
DOI: 10.1021/acs.orglett.2c01233
我々が過去に報告したブロモアレーンの三成分連結型脱芳香族的官能基化反応に、アミノも適用できました。今回は脱芳香族化体ではなく、すぐに再芳香族化して芳香族アミンが得られます。ブロモアレーンの1,4位を位置選択的にカルボアミノ化できる現状唯一の手法を提供することができ、そして抗がん活性をもつ既知化合物の迅速合成も実現しました。詳細は論文を見ていただけると嬉しいです。(ちなみに、去年本反応分子内バージョンが報告されました。詳細はこちらをご覧ください)
反応条件の最適化にはかなり時間がかかりました。検討途中に再現性問題で苦しめられたことが何回もありましたが、解決策をいっぱい考えて、試して、最終的にシクロヘキサン/エーテルという珍しい混合溶媒系を用いたことで解決することができました。しかし収率はなかなか上がらず、ベンゼン環も壊せなかったの一番悔しいので、次のテーマでリベンジしたいです。笑
最後の既知化合物の合成のところが最も楽しかったです。この分子を作る過程自体が楽しかったし、やはり反応開発の論文にちゃんとした合成スキームを載せれるのが嬉しいなあと思いました。ちなみに、以前10工程以上を要した分子を、本反応によりわずか5工程で合成することができました!すごい反応ですね!笑
最後にいつもお世話になっている潤さん、慶さんにこの場を借りて御礼申し上げます。
これからはもっとびっくり反応をチャレンジしていくので、皆さんお楽しみに!
それではまた!
武 啓堃
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