6月25日から29日まで韓国チェジュ島で開かれたOMCOS19thに参加しました。
OMCOSとはOrganometallic Chemistry Directed Towards Organic Synthesisの略。
中途半端なフライト時間+中途半端な開始時間のため、朝6時20分発のフライトしかとれず、結局徹夜で飛行機に乗り込むことに。家から歩いて五分のところからAM4時初のリムジンバスが出ているので便利でしたが。
空港ですらなかなか英語が通じず、仁川国際空港から金浦国際空港の移動のタクシーでぼったくられりしましたが、なんとか会場につきました。一時間以上早く着いてしまい、野球場ぐらいあるんじゃないかというくらい広い会場内を徘徊していました(特に何もありませんでしたが)。
学会はR. H. Grubbs教授の講演で幕を開け、その後も豪華なスピーカーばかり。
初日は運営側もバタバタしており、Grubbs教授の発表(90分間)では10分に一回パソコンの接続が切れてしまうほど。発表者であれば誰もがやりにくさに不満を持ってしまうところですが、
「またPCが切れてしまったね。私にはその間に水を飲むことにしようかな」
とうまく聴衆の笑いを誘っていたあたり、流石だなと感心しました。
最もすごかった発表はやはりMacMillan教授。なにげに初めて聴講したのですが、明確なヴィジョンと圧巻の成果(Nature、Scienceばかり。JACSはたった一個)にはただただ圧倒されました。
面白かったのが、MacMillanの座長を奥さん(韓国人)が努め、MacMillanとの出会いを交えて10分くらい紹介していました。MacMillan本人も初めの10分ほどを奥さんとの話に費やしており、学会を完全に私物化してました。大物の特権でしょうか。奥さんも学生時代に有機化学をやっており、1992年のJACSで既に有機触媒でPhotoredoxを報告していたというのはびっくり。
その他は今回OMCOS AwardのRuben Martin教授、名大の恩師伊丹さん、ややマニアックだけど個人的に好きなOestreich教授、喋りながら壇上に上がるというパフォーマンス付きで(笑)かっこよさに磨きがかかっていたRitter教授などが特に印象深かったかな。
一つ海外学会で気になったのが、アジア人は昔っからでしたが、今では欧米人までもスライドの写真を取っていた点。はっきり言って大嫌いです。未発表成果は特に気をつけなくては。特に動画で丸々講演を録画しちゃってる人もおり、ほんとにいやでした。
その他、留学先で出会ったWuhanの友人(QQ;現Glorius研)や伊丹研にいる外国人の友人を知っているFrancisco(現Martin研、元Larrosa研)とその友人たちと仲良くなったりと、夜の学会編やエクスカーションも満喫して帰ってきました。いろいろお世話になった方々、ありがとうございました。
次は学生を連れて国際学会に行きたいですね。頑張るぞ!
武藤慶
最新記事 by 武藤慶 (全て見る)
- 怒涛の4,5月と旅立ち - 2024年6月16日
- 2023年欧州講演旅行 イギリス編:デジタル有機合成レクチャーシップ賞 - 2024年4月8日
- 2023年欧州講演旅行 フランス編:デジタル有機合成レクチャーシップ賞 - 2024年4月6日
コメント