脱酸素型反応

ジアリールケトンの脱酸素的ヘテロ・炭素官能基化反応

Deoxygenative Hetero- and Carbofunctionalizations of Diarylketones

Sakihara, M. Kurosawa, M. B.; Watanabe, M.; Shimoyama, S.; Yamaguchi, J.
J. Org. CHem. 2024, ASAP

DOI 10.1021/acs.joc.4c00831

ジアリルケトンをヘテロおよびカルボ官能化されたジアリルメタンに直接変換する手法が開発された。この反応は、ジフェニルホスフィンオキシドとジアリルケトンのフォスファブルック転位に始まり、次にパラジウム触媒の下でアミド、アミン、フェノール、チオール、ジボリルメタンなどの様々な求核剤による置換が行われ、対応する官能化ジアリルメタンが還元的に生成される。

 卒業生崎原の1報目。昨年度博士を取得した黒澤さんが見つけた反応をしっかりとまとめてくれました。卒業生の渡邉さんの結果もはいっています。実は彼が4年生のときにほぼ終わっていましたが、不斉反応がうまくいかなかったので少しおいておきましたが、彼の卒業を機に論文化。崎原くんは他にももうひとつ結果を残しており、それも論文にまとめて近日中に公開する予定です。フィニッシュアップはM1になったばかりの下山。実は、チオールとの反応は触媒がいらないのでは?と査読者に指摘していただき(そのとおりでした)、それを含めていくつか高速で実験をやってくれました。とてもよく実験をするので、彼の名前の乗る論文はかなり多くなりそうです。おめでとう!

山口潤一郎

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