脱カルボニル型反応

パラジウム触媒を用いた芳香族エステルの脱カルボニル型C–Hカップリング

Pd‐Catalyzed Decarbonylative C‐H Coupling of Azoles and Aromatic Esters
Matsushita, K.; Takise, R.; Hisada, T.; Suzuki, S.; Isshiki, R.; Itami, K.; Muto, K.; Yamaguchi, J.
Chem Asian. J. 2018, Accepted publication. DOI: 10.1002/asia.201800478
Invitation to Contribute to a Special Issue: Homogeneous Catalysis from Young Investigators  in Asia

パラジウム触媒を用いたアゾールと芳香族エステルとの脱カルボニル型C–Hカップリング反応を見いだした。我々が2012年に報告したニッケル触媒による同反応は新規性ははじめての脱カルボニル型C-Hカップリング反応として反響を集めたが、基質の適用範囲に制限があった。今回、パラジウム触媒を用いることにより、特にアゾール類においてはベンゾオキサゾール・チアゾール以外に、ベンゾチアゾール・オキサゾール・ベンゾイミダゾール・イミダゾールも適用可能となった。

怒涛の春の論文祭り(7報サブミット)の第一弾。Chem Asian J(均一性触媒アジア若手化学者特集)からの招待論文です。招待論文ばかりで、頭を抱えていたところ、昔瀧瀬博士(名大伊丹研・現在製薬会社勤務)がちらっと発見していた反応を放置していることに気づきました。それを社会人D2の松下さんを中心に短期間にきれいにまとめてもらいました。松下さんを手伝ってくれた久田くん(現:東大小林研M1。真ん中のコップ)・基質検討を手伝ってくれた鈴木博士(名大伊丹研・現在化学会社勤務)・触媒検討を手伝ってくれた一色君との共著です。これ本当に時間がなくて、2ヶ月ぐらいで仕上げたので、かなり無理をしましたが、反応検討中にいい意味での副産物もあって満足できる結果におさまりました。松下さんは初論文。一色は何報目だっけ?とにかくおめでとう!

山口潤一郎

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